教育論

学習偏差値は今日変わらない。行動偏差値は、今日変えられる。

こんにちは。GW休みですね。市川田尻の塾、藤原塾です。

GWのうちに教室でやっておきたい作業は終わったので、今日は家からブログを書いています。

1年生募集中です。今年は新入生の動きがゆっくりなので、遅れてはいる生徒にはまとめて追いつくための補講をやることを考えています。
まだ枠は(中1は)沢山あるので、1回目のテスト結果を見るより、少しでも早めに始めてくれると嬉しいです。(最初のテストである程度3年間の立ち位置は決まりますからね)

今日は、中3生にした話を、少し捕捉しながら書いていきたいと思います。

偏差値について理解しましょう。

偏差値は結構複雑な公式によって求められます。
そのテストでの中央値を50として、そこからどれだけ離れているかを表すのが偏差値です。

では例えば「偏差値60」。
総進テストにおいては国府台高校の合格可能性60%ラインになりますが、
これは受験者の上位何%になるかわかりますでしょうか。

ざっくりですが、偏差値での人数分布はこうなります。

70 上位2.2%
65 上位6.7%
60 上位15.9%
55 上位30.9%
50 中央値(55~45の間に38.2%います)
45 下位30.9%
40 下位15.9%
35 下位6.7%
30 下位2.2.%

ピンときませんか?
35人学級で換算してみましょう。

70 上位0~1名(0.77名)
65 上位2名(2.34名)
60 上位5~6名(5.56名)
55 上位10~11名(10.81名)
50 中央値(55~45の間に13人います)
45 下位10~11名(10.81名)
40 下位5~6名(5.56名)
35 下位2名(2.34名)
30 下位0~1名(0.77名)

「60以上」や、「40以下」には、もっといるように感じますが、
ここは35人のクラスならトップ・アンダーは5~6位なんですよね。

だから、偏差値「60の高校」は、クラスで5~6位までの人が行く学校だということです。60の高校を目指すならば、自分が今何位で、クラスのだれを抜く必要があるのかを考えるといいでしょう。

勉強をナメるな。受験をナメるな。とはこういうことです。
「偏差値55の学校に行ってくれたら安心だな」というご家庭も多いでしょうが、
その枠はクラスに10人分しかあいてないわけです。

私はよく「誰もが偏差値60までは努力だけで到達可能だ」と言っていますが、
それは裏を返すと、クラスの上位5名は間違いなく、100%相当量努力しているので、
努力だけで追い抜くことが不可能だということでもあります。

行動偏差値は今日変わる。

さて、「偏差値60」が目標だったとしましょう。

偏差値は頑張ったら必ず上がるというわけではないですね。
なぜなら、順位とは他者との比較だからです。

では偏差値を60に上げるにはどうすればいいか。
その簡単な解釈があります。

それは、行動偏差値を60にすることです。

つまりです。
偏差値60が上位15.9%なのですから、
上位15.9%の人たちならやっていることをすべてやればいいのです。

例えば、「塾に通う」生徒は全体のどれくらいでしょうか。
少し古いデータですが、千葉県で68.6%というものがありました。

ここから、塾に通わない中高一貫校生を加味し、2023年度の実態に照らし合わせると
おそらく通塾率は75%程度と思われます。

つまり、残念ながら「塾に通う」というだけでは行動偏差値は40~45というところです。

ですからここに行動偏差値を上げる「上乗せ」をしていきます。
例えば、「宿題を毎回必ずやってくる。」
ウチはそこは厳しめなので忘れるのは1割程度ですが、全体としては2割はやってないでしょうね。ただ8割はやってくるわけですから、行動偏差値が大きく変化しません。

これを「宿題をきっちりやってくる。」に変えてみます。
すなわち、空欄なく、問題をきっちり読んで、全問正解を目指し、わからないところは調べたり聞いたりする。

これができている生徒ってどれぐらいだと思います?
半分いませんよ。体感で2割です。
宿題をきっちりやる。それだけで行動偏差値は余裕で55超えです。

ウチの塾では宿題にたっくさん私の書き込みがありますよね?
良く「適当はダメ」と書かれていると思います。
あれを書かれなくなれば行動偏差値55です。
ちなみに大手や学校だとああやって私みたいに指摘してあげる先生は少ないですから、
実際宿題をちゃんとやるって、結構大変なんですよね。

他にも「主体的に授業に参加する」
これができる生徒は2~3割ですね。
授業をしていると
・意識が授業にない…2割
・ノートをとっているだけ…2割
・先生がアクションを取ったときのみ反応し、他は省エネモード…3割
・主体的に授業に反応している(うなずきや顔をしかめて難解そうな反応をする)…3割
というところでしょうね。
もちろんウチの塾では意識が飛んでると私が引っ張り上げてますけど、学校では放置されてると思いますよ。だから言われずとも授業には前のめりでなくてはいけません。

というわけで、主体参加も3割です。
いや、60行かないじゃん、と思うところですが、塾に通いながら
「宿題をきっちりやって」かつ「主体的な授業参加」ができている生徒は、
全体の2割弱、すなわち行動偏差値60と言っていいと思います。

逆に言えば、自分の勉強にもかかわらず、
宿題を適当に済ませていたり、
受動的な授業姿勢である子が全体の80%を超えているのが実態なんですよね。

だから、今日からでも行動偏差値60は誰でもできる。
そして行動と学力は因果関係ですから、
行動偏差値60を維持すれば、学習偏差値も60に近づいてくることが期待できます。

私がこの2点に対して、おそらく他塾より圧倒的にうるさいであろう理由は、ここにあります。

ちなみに、「じゃあ偏差値65は?」と言えば、クラスで2人しかやってないことをやればいいです。

例えば、中3なら今から1~2年の復習を、学校や塾の課題をこなしながら毎日自習している生徒はほぼいないでしょうね。

1~2年なら、週2~3回追加で塾に来て2時間程度自習するだけでも、おそらく行動偏差値60は超えているでしょう。

大事なのは、
「偏差値〇〇以上の子なら全員この程度やってる」
という危機感と、
「偏差値〇〇以上でもこれをやってるのは自分ぐらいだろう」
という自信です。

今日から変えられる行動偏差値、ぜひ意識してみてください。